日本を代表する企業の一つ、ソニーの実績推移を見ていきたいと思う。
まずは貸借対照表から抜粋した、実績推移から。

“会計上”実績推移

3月期 (単位:億円)
和暦 西暦 売上 原価 粗利 販管費 営業利益 経常利益 純利益
平成16年 2004 74,964 50,582 24,382 23,393 989 1,141 885
平成17年 2005 71,596 50,001 21,595 20,456 1,139 1,572 1,638
平成18年 2006 75,106 51,514 23,592 21,328 2,264 2,63 1,236
平成19年 2007 82,957 58,896 24,061 23,343 718 1,020 1,263
平成20年 2008 88,714 62,900 25,814 22,448 4,753 5,671 3,694 リーマンショック(9月)
平成21年 2009 77,300 56,605 20,695 22,339 ▲2,278 ▲1,750 ▲989
平成22年 2010 72,140 48,926 23,214 22,594 318 269 130
平成23年 2011 71,813 48,314 23,499 21,642 1,998 2,050 ▲2,203 震災(3月)
平成24年 2012 64,932 43,864 21,068 20,523 ▲673 ▲832 ▲3984
平成25年 2013 68,009 44,854 23,154 21,084 2,301 2,457 1,042
平成26年 2014 77,673 51,401 26,272 25,933 265 257 ▲688
平成27年 2015 82,159 52,751 29,407 28,761 685 397 ▲490

“分析用”実績推移

3月期 (単位:億円)
和暦 西暦 売上 原価 粗利 減価償却 販管費 営業利益 経常利益 株主利益
平成16年 2004 74,964 50,582 24,382 3,663 19,730 4,652 4,803 4,548
平成17年 2005 71,596 50,001 21,595 3,729 16,727 4,868 5,301 5,367
平成18年 2006 75,106 51,514 23,592 3,818 17,509 6,083 6,682 5,055
平成19年 2007 82,957 58,896 24,061 4,000 19,343 4,718 5,020 5,263
平成20年 2008 88,714 62,900 25,814 4,280 18,167 9,033 9,951 7,974 リーマンショック(9月)
平成21年 2009 77,300 56,605 20,695 4,054 18,284 1,777 2,305 3,065
平成22年 2010 72,140 48,926 23,214 3,710 18,884 4,028 3,979 3,840
平成23年 2011 71,813 48,314 23,499 3,254 18,388 5,252 5,304 1,050 震災(3月)
平成24年 2012 64,932 43,864 21,068 3,196 17,327 2,523 2,364 ▲788
平成25年 2013 68,009 44,854 23,154 3,306 17,778 5,607 5,762 4,347
平成26年 2014 77,673 51,401 26,272 3,767 22,166 4,032 4,024 3,079
平成27年 2015 82,159 52,751 29,407 3,546 25,215 4,232 3,944 3,056

 

▼会計上、分析用について

会計上とは、決算書の数字である。
分析用とは、実績分析に当たり、株主目線で見た際に、株主が得られる利益を算出するための数字である。
今回は、主にこちらをベースに検討する。

大きな違いは減価償却費の考え方にある。
会計上は減価償却費を計上する必要があるが、実際のビジネスで減価償却費用は、お金として出て行っていない。
そのため、株主として得られる利益はそれを除く必要があると考えている。
一般的に販管費に混ぜられるケースが多いため、会計上の販管費から減価償却費を差し引いて計算している。
株主利益株主が得られる本来の企業利益

 

■実績推移考察

▼売上
売上はリーマン・ショックまでは上昇傾向。
2012年度を境目に回復傾向にあると読み取れ、昨年実績2007年頃の規模まで回復してきている。
粗利も売上と同様の推移と見受けられるが、販管費2007年よりかなり増えていることがわかる。
▼本当に純損失?
純利益を見ると、直近12年の内、5年はマイナス計上してるが、減価償却費を省いた株主利益ベースにみると
本来のビジネスとしてマイナスが出ているのは、2012年度のみであることがわかる。
しかしながら、2013年度でV字回復した数字も翌年から下降気味となっている

 

各種比率

次に比率を見ていきたい。分析用の数字から算出している。
3月期 (単位:億円)
和暦 西暦 原価率 粗利率 販管費率 営業利率 経常率 株主利率
平成16年 2004 67.5% 32.5% 26.3% 6.2% 6.4% 6.1%
平成17年 2005 69.8% 30.2% 23.4% 6.8% 7.4% 7.5%
平成18年 2006 68.6% 31.4% 23.3% 8.1% 8.9% 6.7%
平成19年 2007 71.0% 29.0% 23.3% 5.7% 6.1% 6.3%
平成20年 2008 70.9% 29.1% 20.5% 10.2% 11.2% 9.0% リーマンショック(9月)
平成21年 2009 73.2% 26.8% 23.7% 2.3% 3.0% 4.0%
平成22年 2010 67.8% 32.2% 26.2% 5.6% 5.5% 5.3%
平成23年 2011 67.3% 32.7% 25.6 7.3% 7.4% 1.5% 震災(3月)
平成24年 2012 67.6% 32.4% 26.7% 3.9% 3.6% ▲1.2%
平成25年 2013 66.0% 34.0% 26.1% 8.2% 8.5% 6.4%
平成26年 2014 66.2% 33.8% 28.5% 5.2% 5.2% 4.0%
平成27年 2015 64.2% 35.8% 30.7% 5.2% 4.8% 3.7%

■比率推移考察

原価率はリーマン・ショックを境に除々に下がってきているが、やはり販管費の上昇が否めない。
売上規模として2007年水準であるが、実際の株主利益としては2.6%も下がっていることがわかる。

再投資(投資活動によるキャッシュ・フロー)①

事業で得た利益(株主利益)を毎年どういったところに投資しているか確認したい。
数字はキャッシュフロー計算書から抜粋している。
事業投資
3月期 固定資産 金融ビジネス等の投資
和暦 西暦 株主利益 購入 売却 資産小計 投資・貸付 償還・回収 投資小計 事業投資計 FC
平成16年 2004 4,548 ▲4,273 340 ▲3,934 ▲12,013 8,267 ▲3,746 ▲11,613 ▲7,065
平成17年 2005 5,367 ▲4,534 342 ▲4,193 ▲14,672 9,494 ▲5,178 ▲13,563 ▲8,196
平成18年 2006 5,055 ▲4,625 382 ▲4,243 ▲14,051 9,578 ▲4,473 ▲12,959 ▲7,905
平成19年 2007 5,263 ▲5,275 873 ▲4,402 ▲10,149 7,458 ▲2,691 ▲11,495 ▲6,232
平成20年 2008 7,974 ▲4,746 1,447 ▲3,298 ▲23,866 18,006 ▲5,859 ▲12,456 ▲4,481
平成21年 2009 3,065 ▲4,961 1,534 ▲3,427 ▲26,751 19,371 ▲7,381 ▲14,234 ▲11,169
平成22年 2010 3,840 ▲3,381 157 ▲3,224 ▲16,237 12,049 ▲4,188 ▲10,635 ▲6,796
平成23年 2011 1,050 ▲2,537 187 ▲2,349 ▲14,742 10,037 ▲4,705 ▲9,404 ▲8,354
平成24年 2012 ▲788 ▲3,825 227 ▲3,599 ▲11,280 5,761 ▲5,520 ▲12,717 ▲13,506
平成25年 2013 4,347 ▲3,265 2,458 ▲807 ▲11,391 5,314 ▲6,077 ▲7,692 ▲3,344
平成26年 2014 3,079 ▲2,835 997 ▲1,838 ▲10,475 5,020 ▲5,454 ▲9,130 ▲6,051
平成27年 2015 3,056 ▲2,159 368 ▲1,791 ▲9,801 5,320 ▲4,481 ▲8,063 ▲5,007

※FC:フリーキャッシュ。株主利益から必要な事業投資額を省いた自由に使えるお金

■再投資考察 ①固定資産

固定資産は、2009年まで毎年5,000億円前後の購入があった。売却を考慮して、年間4,000億程度、有形固定資産へ投資している。	
2009年以降は購入額が徐々に減ってきており、固定資産への投資を減らしてきている。

再投資考察 ②金融ビジネス等投資

今回一番気になるポイントなのが、金融ビジネスへの投資である。
この金融ビジネスに含まれている勘定項目は以下。

・金融ビジネスにおける投資及び貸付
・金融ビジネスにおける投資の売却又は償還及び貸付金の回収
・投資及び貸付(金融ビジネス以外)
・投資の売却又は償還及び貸付金の回収(金融ビジネス以外)
・その他(子会社等の購入など)

なんと、この12年で、年平均で1.75兆円を投資している。
回収は、年平均が1.15兆円となるため、毎年6,000億円もの大金が金融ビジネスで出て行ってしまっていることになる。
株主利益の、平均4,600億円と比較しても、稼いだ額以上のお金が金融ビジネスで出て行ってしまっているとも言える。
調べていると、同じように投資で損失が出ている大企業があった。
トヨタ自動車である。

トヨタ自動車

3月期 (単位:億円)
株主利率 金融債権損益
平成16年 2004 21,412 ▲10,520
平成17年 2005 21,598 ▲15,113
平成18年 2006 25,834 ▲10,251
平成19年 2007 30,266 ▲13,499
平成20年 2008 32,090 ▲14,793
平成21年 2009 10,582 3,828
平成22年 2010 16,240 ▲15,917
平成23年 2011 15,838 ▲11,405
平成24年 2012 13,514 ▲5,883
平成25年 2013 20,673 ▲16,454
平成26年 2014 30,740 ▲11,875
平成27年 2015 35,824 ▲23,467
金融債権損益に含まれている勘定項目は以下。

・金融債権の増加
・金融債権の回収及び売却
・有価証券及び投資有価証券の購入
・有価証券及び投資有価証券の売却及び満期償還

毎年1兆円以上の金額を損失計上していることがわかる。
つまり株で大損しているということだろうか・・・?
ソニーとの違いは投資分野では株主利益を超えて投資しているわけではないということである。

再投資(投資活動によるキャッシュ・フロー)②

FC(フリーキャッシュ):事業で稼いだ株主利益から事業投資を引いた金額。
実質利益:FCから配当金や、自社株買い等の有無を確認して最終企業に残るとする金額
現金:流動資産-流動負債
負債:有利子負債
3月期
和暦 西暦 FC 配当 自社株 実質利益 負債推移 現金 負債
平成16年 2004 ▲7,065 ▲231 0 ▲7,296 1,781 3,811 12,527
平成17年 2005 ▲8,196 ▲230 0 ▲8,426 ▲261 7,468 9,093
平成18年 2006 ▲7,905 ▲248 0 ▲8,153 965 5,693 11,012
平成19年 2007 ▲6,232 ▲251 0 ▲6,483 945 9,949 10,965
平成20年 2008 ▲4,481 ▲251 0 ▲4,732 122 9,863 10,842
平成21年 2009 ▲11,169 ▲426 0 ▲11,595 523 ▲1,903 11,113
平成22年 2010 ▲6,796 ▲251 0 ▲7,047 1,158 729 12,088
平成23年 2011 ▲8,354 ▲251 0 ▲8,605 ▲2,086 ▲2,829 9,756
平成24年 2012 ▲13,506 ▲251 0 ▲13,756 787 ▲7,750 11,726
平成25年 2013 ▲3,344 ▲251 0 ▲3,595 ▲1,961 ▲6,686 11,826
平成26年 2014 ▲6,051 ▲256 0 ▲6,308 396 ▲5,787 12,944
平成27年 2015 ▲5,007 ▲132 0 ▲5,139 ▲2,906 ▲5,477 9,336

■再投資 考察③

直近12年では自社株買いはしていない。
つまり、実質利益についても12年前から5000億円以上のマイナスを出していた模様。
有利子負債額もそれほど増えておらず、1兆円前後で推移している。

株式

資産、利益、株価についての考察
3月期
和暦 西暦 有固資 株主利益 対有固資利率 負債 時価総額
平成16年 2004 32,723 4,548 13.9% 12,527 40,284
平成17年 2005 33,933 5,367 15.8% 9,093 42,533
平成18年 2006 35,495 5,055 14.2% 11,012 54,551
平成19年 2007 36,903 5,263 14.3% 10,965 60,024
平成20年 2008 36,002 7,974 22.2% 10,842 39,876 リーマンショック(9月)
平成21年 2009 35,108 3,065 8.7% 11,113 20,071
平成22年 2010  33,564 3,840 11.4% 12,088 35,964
平成23年 2011 30,848 1,050 3.4% 9,756 26,764 震災(3月)
平成24年 2012 29,499 ▲788 ▲2.7% 11,726 17,119
平成25年 2013 28,924 4,347 15.0% 11,826 16,616
平成26年 2014 25,463 3,079 12.1% 12,944 20,602
平成27年 2015 26,028 3,056 11.7% 9,336 37,316

※有固資:有形固定資産(減価償却していない金額)
※対有固資利率:有形固定資産に対する株主利益の利率

3月期 (円) (百万株)
和暦 西暦 益回り 配当利回 株価 株数 時価総額
平成16年 2004 11.3% 0.6% 4,360 924 25
平成17年 2005 12.6% 0.6% 4,270 996 25
平成18年 2006 9.3% 0.5% 5,450 1,001 25
平成19年 2007 8.8% 0.4% 5,990 1,002 25
平成20年 2008 20.0% 0.6% 3,970 1,004 25 リーマンショック(9月)
平成21年 2009 15.3% 2.1% 1,998 1,005 42.5
平成22年 2010 10.7% 0.7%  3,580 1,005 25
平成23年 2011 3.9% 0.9% 2,664 1,005 25 震災(3月)
平成24年 2012 ▲4.6% 1.5% 1,704 1,005 25
平成25年 2013 26.2% 1.5% 1,642 1,012 25
平成26年 2014 14.9% 1.3% 1,972 1,045 25
平成27年 2015 8.2% 0.0% 3,190 1,170 0

■資産 考察

有形固定資産は一般的に毎年上昇しているが、経営改善のため直近7年ほどは減少して資産整理をしていると見受けられる。
対有固利率を見ると、資産に対し10~15%前後の利益を上げている年が多い。
これは投資した資産をどれだけ有効に使えているかを見るための指標にしている。
つまり資産を購入して7~10年程度で回収出来ていることになる。

■株式 考察

リーマン・ショックを含む過去12年の推移をみると、有形固定資産と時価総額のバランスの振れ幅は
0.57~1.43倍である。
一番低い2013年0.57倍の時は益回り26%も得られる株価だったといえる。
つまり投資した株式を4年で回収できる価格感だったということになる。
勿論安定していればの話ではあるが。

■全体

業績がかなり落ちている印象のソニー。
改めて見るとそこまで業績不振という印象も受けなかったというのが正直な所。
ある程度安定して利益は確保できている。
しかしながら損失の多い金融ビジネスと、手元の現金が無いことを考えると、投資時期はよく見極める必要がありそうだ。
engauserIT関連日本を代表する企業の一つ、ソニーの実績推移を見ていきたいと思う。 まずは貸借対照表から抜粋した、実績推移から。 '会計上'実績推移 3月期 (単位:億円) 和暦 西暦 売上 原価 粗利 販管費 営業利益 経常利益 純利益 平成16年 2004 74,964 50,582 24,382 23,393 989 1,141 885 平成17年 2005 71,596 50,001 21,595 20,456 1,139 1,572 1,638 平成18年 2006 75,106 51,514 23,592 21,328 2,264 2,63 1,236 平成19年 2007 82,957 58,896 24,061 23,343 718 1,020 1,263 平成20年 2008 88,714 62,900 25,814 22,448 4,753 5,671 3,694 リーマンショック(9月) 平成21年 2009 77,300 56,605 20,695 22,339 ▲2,278 ▲1,750 ▲989 平成22年 2010 72,140 48,926 23,214 22,594 318 269 130 平成23年 2011 71,813 48,314 23,499 21,642 1,998 2,050 ▲2,203 震災(3月) 平成24年 2012 64,932 43,864 21,068 20,523 ▲673 ▲832 ▲3984 平成25年 2013 68,009 44,854 23,154 21,084 2,301 2,457 1,042 平成26年 2014 77,673 51,401 26,272 25,933 265 257 ▲688 平成27年 2015 82,159 52,751 29,407 28,761 685 397 ▲490 '分析用'実績推移 3月期 (単位:億円) 和暦 西暦 売上 原価 粗利 減価償却 販管費 営業利益 経常利益 株主利益 平成16年 2004 74,964 50,582 24,382 3,663 19,730 4,652 4,803 4,548 平成17年 2005 71,596 50,001 21,595 3,729 16,727 4,868 5,301 5,367 平成18年 2006 75,106 51,514 23,592 3,818 17,509 6,083 6,682 5,055 平成19年 2007 82,957 58,896 24,061 4,000 19,343 4,718 5,020 5,263 平成20年 2008 88,714 62,900 25,814 4,280 18,167 9,033 9,951 7,974 リーマンショック(9月) 平成21年 2009 77,300 56,605 20,695 4,054 18,284 1,777 2,305 3,065 平成22年 2010 72,140 48,926 23,214 3,710 18,884 4,028 3,979 3,840 平成23年 2011 71,813 48,314 23,499 3,254 18,388 5,252 5,304 1,050 震災(3月) 平成24年 2012 64,932 43,864 21,068 3,196 17,327 2,523 2,364 ▲788 平成25年 2013 68,009 44,854 23,154 3,306 17,778 5,607 5,762 4,347 平成26年 2014 77,673 51,401 26,272 3,767 22,166 4,032 4,024 3,079 平成27年 2015 82,159 52,751 29,407 3,546 25,215 4,232 3,944 3,056   ▼会計上、分析用について 会計上とは、決算書の数字である。 分析用とは、実績分析に当たり、株主目線で見た際に、株主が得られる利益を算出するための数字である。 今回は、主にこちらをベースに検討する。 大きな違いは減価償却費の考え方にある。 会計上は減価償却費を計上する必要があるが、実際のビジネスで減価償却費用は、お金として出て行っていない。 そのため、株主として得られる利益はそれを除く必要があると考えている。 一般的に販管費に混ぜられるケースが多いため、会計上の販管費から減価償却費を差し引いて計算している。 株主利益:株主が得られる本来の企業利益   ■実績推移考察 ▼売上 売上はリーマン・ショックまでは上昇傾向。 2012年度を境目に回復傾向にあると読み取れ、昨年実績で2007年頃の規模まで回復してきている。 粗利も売上と同様の推移と見受けられるが、販管費が2007年よりかなり増えていることがわかる。 ▼本当に純損失? 純利益を見ると、直近12年の内、5年はマイナス計上してるが、減価償却費を省いた株主利益ベースにみると 本来のビジネスとしてマイナスが出ているのは、2012年度のみであることがわかる。 しかしながら、2013年度でV字回復した数字も翌年から下降気味となっている。   各種比率 次に比率を見ていきたい。分析用の数字から算出している。 3月期 (単位:億円) 和暦 西暦 原価率 粗利率 販管費率 営業利率 経常率 株主利率 平成16年 2004 67.5% 32.5% 26.3% 6.2% 6.4% 6.1% 平成17年 2005 69.8% 30.2% 23.4% 6.8% 7.4% 7.5% 平成18年 2006 68.6% 31.4% 23.3% 8.1% 8.9% 6.7% 平成19年 2007 71.0% 29.0% 23.3% 5.7% 6.1% 6.3% 平成20年 2008 70.9% 29.1% 20.5% 10.2% 11.2% 9.0% リーマンショック(9月) 平成21年 2009 73.2% 26.8% 23.7% 2.3% 3.0% 4.0% 平成22年 2010 67.8% 32.2% 26.2% 5.6% 5.5% 5.3% 平成23年 2011 67.3% 32.7% 25.6 7.3% 7.4% 1.5% 震災(3月) 平成24年 2012 67.6% 32.4% 26.7% 3.9% 3.6% ▲1.2% 平成25年 2013 66.0% 34.0% 26.1% 8.2% 8.5% 6.4% 平成26年 2014 66.2% 33.8% 28.5% 5.2% 5.2% 4.0% 平成27年 2015 64.2% 35.8% 30.7% 5.2% 4.8% 3.7% ■比率推移考察 原価率はリーマン・ショックを境に除々に下がってきているが、やはり販管費の上昇が否めない。 売上規模としては2007年水準であるが、実際の株主利益としては2.6%も下がっていることがわかる。 再投資(投資活動によるキャッシュ・フロー)① 事業で得た利益(株主利益)を毎年どういったところに投資しているか確認したい。 数字はキャッシュフロー計算書から抜粋している。 事業投資 3月期 固定資産 金融ビジネス等の投資 和暦 西暦 株主利益 購入 売却 資産小計 投資・貸付 償還・回収 投資小計 事業投資計 FC 平成16年 2004 4,548 ▲4,273 340 ▲3,934 ▲12,013 8,267 ▲3,746 ▲11,613 ▲7,065 平成17年 2005 5,367 ▲4,534 342 ▲4,193 ▲14,672 9,494 ▲5,178 ▲13,563 ▲8,196 平成18年 2006 5,055 ▲4,625 382 ▲4,243 ▲14,051 9,578 ▲4,473 ▲12,959 ▲7,905 平成19年 2007 5,263 ▲5,275 873 ▲4,402 ▲10,149 7,458 ▲2,691 ▲11,495 ▲6,232 平成20年 2008 7,974 ▲4,746 1,447 ▲3,298 ▲23,866 18,006 ▲5,859 ▲12,456 ▲4,481 平成21年 2009 3,065 ▲4,961 1,534 ▲3,427 ▲26,751 19,371 ▲7,381 ▲14,234 ▲11,169 平成22年 2010 3,840 ▲3,381 157 ▲3,224 ▲16,237 12,049 ▲4,188 ▲10,635 ▲6,796 平成23年 2011 1,050 ▲2,537 187 ▲2,349 ▲14,742 10,037 ▲4,705 ▲9,404 ▲8,354 平成24年 2012 ▲788 ▲3,825 227 ▲3,599 ▲11,280 5,761 ▲5,520 ▲12,717 ▲13,506 平成25年 2013 4,347 ▲3,265 2,458 ▲807 ▲11,391 5,314 ▲6,077 ▲7,692 ▲3,344 平成26年 2014 3,079 ▲2,835 997 ▲1,838 ▲10,475 5,020 ▲5,454 ▲9,130 ▲6,051 平成27年 2015 3,056 ▲2,159 368 ▲1,791 ▲9,801 5,320 ▲4,481 ▲8,063 ▲5,007 ※FC:フリーキャッシュ。株主利益から必要な事業投資額を省いた自由に使えるお金 ■再投資考察 ①固定資産 固定資産は、2009年まで毎年5,000億円前後の購入があった。売却を考慮して、年間4,000億程度、有形固定資産へ投資している。 2009年以降は購入額が徐々に減ってきており、固定資産への投資を減らしてきている。 再投資考察 ②金融ビジネス等投資 今回一番気になるポイントなのが、金融ビジネスへの投資である。 この金融ビジネスに含まれている勘定項目は以下。 ・金融ビジネスにおける投資及び貸付 ・金融ビジネスにおける投資の売却又は償還及び貸付金の回収 ・投資及び貸付(金融ビジネス以外) ・投資の売却又は償還及び貸付金の回収(金融ビジネス以外) ・その他(子会社等の購入など) なんと、この12年で、年平均で1.75兆円を投資している。 回収は、年平均が1.15兆円となるため、毎年6,000億円もの大金が金融ビジネスで出て行ってしまっていることになる。 株主利益の、平均4,600億円と比較しても、稼いだ額以上のお金が金融ビジネスで出て行ってしまっているとも言える。 調べていると、同じように投資で損失が出ている大企業があった。 トヨタ自動車である。 トヨタ自動車 3月期 (単位:億円) 株主利率 金融債権損益 平成16年 2004 21,412 ▲10,520 平成17年 2005 21,598 ▲15,113 平成18年 2006 25,834 ▲10,251 平成19年 2007 30,266 ▲13,499 平成20年 2008 32,090 ▲14,793 平成21年 2009 10,582 3,828 平成22年 2010 16,240 ▲15,917 平成23年 2011 15,838 ▲11,405 平成24年 2012 13,514 ▲5,883 平成25年 2013 20,673 ▲16,454 平成26年 2014 30,740 ▲11,875 平成27年 2015 35,824 ▲23,467 金融債権損益に含まれている勘定項目は以下。 ・金融債権の増加 ・金融債権の回収及び売却 ・有価証券及び投資有価証券の購入 ・有価証券及び投資有価証券の売却及び満期償還 毎年1兆円以上の金額を損失計上していることがわかる。 つまり株で大損しているということだろうか・・・? ソニーとの違いは投資分野では株主利益を超えて投資しているわけではないということである。 再投資(投資活動によるキャッシュ・フロー)② FC(フリーキャッシュ):事業で稼いだ株主利益から事業投資を引いた金額。 実質利益:FCから配当金や、自社株買い等の有無を確認して最終企業に残るとする金額 現金:流動資産-流動負債 負債:有利子負債 3月期 和暦 西暦 FC 配当 自社株 実質利益 負債推移 現金 負債 平成16年 2004 ▲7,065 ▲231 0 ▲7,296 1,781 3,811 12,527 平成17年 2005 ▲8,196 ▲230 0 ▲8,426 ▲261 7,468 9,093 平成18年 2006 ▲7,905 ▲248 0 ▲8,153 965 5,693 11,012 平成19年 2007 ▲6,232 ▲251 0 ▲6,483 945 9,949 10,965 平成20年 2008 ▲4,481 ▲251 0 ▲4,732 122 9,863 10,842 平成21年 2009 ▲11,169 ▲426 0 ▲11,595 523 ▲1,903 11,113 平成22年 2010 ▲6,796 ▲251 0 ▲7,047 1,158 729 12,088 平成23年 2011 ▲8,354 ▲251 0 ▲8,605 ▲2,086 ▲2,829 9,756 平成24年 2012 ▲13,506 ▲251 0 ▲13,756 787 ▲7,750 11,726 平成25年 2013 ▲3,344 ▲251 0 ▲3,595 ▲1,961 ▲6,686 11,826 平成26年 2014 ▲6,051 ▲256 0 ▲6,308 396 ▲5,787 12,944 平成27年 2015 ▲5,007 ▲132 0 ▲5,139 ▲2,906 ▲5,477 9,336 ■再投資 考察③ 直近12年では自社株買いはしていない。 つまり、実質利益についても12年前から5000億円以上のマイナスを出していた模様。 有利子負債額もそれほど増えておらず、1兆円前後で推移している。 株式 資産、利益、株価についての考察 3月期 和暦 西暦 有固資 株主利益 対有固資利率 負債 時価総額 平成16年 2004 32,723 4,548 13.9% 12,527 40,284 平成17年 2005 33,933 5,367 15.8% 9,093 42,533 平成18年 2006 35,495 5,055 14.2% 11,012 54,551 平成19年 2007 36,903 5,263 14.3% 10,965 60,024 平成20年 2008 36,002 7,974 22.2% 10,842 39,876 リーマンショック(9月) 平成21年 2009 35,108 3,065 8.7% 11,113 20,071 平成22年 2010  33,564 3,840 11.4% 12,088 35,964 平成23年 2011 30,848 1,050 3.4% 9,756 26,764 震災(3月) 平成24年 2012 29,499 ▲788 ▲2.7% 11,726 17,119 平成25年 2013 28,924 4,347 15.0% 11,826 16,616 平成26年 2014 25,463 3,079 12.1% 12,944 20,602 平成27年 2015 26,028 3,056 11.7% 9,336 37,316 ※有固資:有形固定資産(減価償却していない金額) ※対有固資利率:有形固定資産に対する株主利益の利率 3月期 (円) (百万株) 和暦 西暦 益回り 配当利回 株価 株数 時価総額 平成16年 2004 11.3% 0.6% 4,360 924 25 平成17年 2005 12.6% 0.6% 4,270 996 25 平成18年 2006 9.3% 0.5% 5,450 1,001 25 平成19年 2007 8.8% 0.4% 5,990 1,002 25 平成20年 2008 20.0% 0.6% 3,970 1,004 25 リーマンショック(9月) 平成21年 2009 15.3% 2.1% 1,998 1,005 42.5 平成22年 2010 10.7% 0.7%  3,580 1,005 25 平成23年 2011 3.9% 0.9% 2,664 1,005 25 震災(3月) 平成24年 2012 ▲4.6% 1.5% 1,704 1,005 25 平成25年 2013 26.2% 1.5% 1,642 1,012 25 平成26年 2014 14.9% 1.3% 1,972 1,045 25 平成27年 2015 8.2% 0.0% 3,190 1,170 0 ■資産 考察 有形固定資産は一般的に毎年上昇しているが、経営改善のため直近7年ほどは減少して資産整理をしていると見受けられる。 対有固利率を見ると、資産に対し10~15%前後の利益を上げている年が多い。 これは投資した資産をどれだけ有効に使えているかを見るための指標にしている。 つまり資産を購入して7~10年程度で回収出来ていることになる。 ■株式 考察 リーマン・ショックを含む過去12年の推移をみると、有形固定資産と時価総額のバランスの振れ幅は 0.57~1.43倍である。 一番低い2013年0.57倍の時は益回り26%も得られる株価だったといえる。 つまり投資した株式を4年で回収できる価格感だったということになる。 勿論安定していればの話ではあるが。 ■全体 業績がかなり落ちている印象のソニー。 改めて見るとそこまで業績不振という印象も受けなかったというのが正直な所。 ある程度安定して利益は確保できている。 しかしながら損失の多い金融ビジネスと、手元の現金が無いことを考えると、投資時期はよく見極める必要がありそうだ。地域コミュニティ活性化のためのサンプリング